おはようございます。大石です。
国家試験まで残り6日です!
それでは、本日の問題です。
問題1 骨折の合併症と特徴の組合せで誤っているのはどれか。
- 外傷性皮下気腫――――握雪音
- 区画症候群――――――感覚異常
- 過剰仮骨形成―――――血腫の分散および流出
- 固定による長期の臥床―深部静脈血栓症
問題1 【解答】 3 【柔理6】p.35-37
骨折の合併症には併発症や続発症、後遺症がある。
- 外傷性皮下気腫の多くは空気が肺から皮下組織内に侵入したもので、その部位は柔らかく触診によって特有な握雪音を認める。
- 区画症候群はコンパートメント症候群と言われ、疼痛、蒼白、脈拍消失、感覚異常、麻痺などの症状を認める。
- 過剰仮骨形成は大血腫の存在を認め、血腫の分散や流出は偽関節の発生要因である。
- 固定による長期の臥床では、深部静脈血栓症や沈下性肺炎、尿路感染などがあげられる。
問題2 脱臼時のみにみられる症状はどれか。
- 鼠径靱帯中央部が無抵抗で大腿骨頭を触知できない。
- ローゼル・ネラトン(Roser-Nélaton)線より大転子が高位にある。
- ヒューター三角の形状が変化する。
- ディンプル(dimple)サインを認める。
問題2 【解答】 1 【柔理5】p.208 【柔理6】p.367
- 股関節部の空虚を示す所見で、脱臼の固有症状である。
- ローゼル・ネラトン線より大転子が高位になる場合は、股関節後方脱臼のほか、大腿骨頚部骨折(ガーデン分類StageⅣ)や大転子裂離骨折がある。
- ヒューター三角の形状が変化する場合は、肘関節後方脱臼の他、肘頭骨折や上腕骨外顆骨折等がある。
- ディンプルサインは、上腕骨顆上骨折などでみられる上腕遠位部の凹みで、特に骨片転位と腫脹が大きい場合に明瞭である。
問題3 神経損傷で正しいのはどれか。
- サンダーランド分類の1度はセドン分類のneurapraxia(一過性不動化)に相当する。
- セドン分類のaxonotmesis(軸索断裂)ではワーラー変性は起こらない。
- チネルテストを行う時は障害神経の走行に沿って中枢から末梢に向けて叩いていく。
- サンダーランド分類の3度では神経周膜は損傷する。
問題3 【解答】 1 【柔理5】p.80-82,438
末梢神経損傷ではサンダーランド分類とセドン分類がある。セドンはneurapraxia(一過性不動化)、axonotmesis(軸索断裂)、neurotmesis(神経断裂)の3型に分類し、サンダーランドは神経幹の構成要素の損傷をより詳細に、1度から5度の5型に分類している。
- サンダーランド分類の1度はセドン分類のneurapraxiaに相当する。また、サンダーランド分類の5度はセドン分類のneurotomesisに相当する。
- 軸索の断裂が生じるとワーラー変性を生じる。従って、セドン分類のaxonotmesis、neurotmesis、サンダーランド分類の2度以上では、ワーラー変性が生じる。
- チネルテストは末梢神経損傷部の鑑別を行うテストである。神経は修復に際し、髄鞘より先に軸索が再生される。むき出しの軸索が叩かれることで、放散痛が生じる。すなわち、叩打痛を認める部位まで神経が回復していることがわかる。叩打するときは、神経直上を末梢側から中枢側に向かって叩いていく方法で行う。
- 3度は軸索と神経内膜の損傷である。周膜まで損傷するのは4度である。また、1度は限局性の脱髄による伝導障害で、2度は軸索のみ損傷で、5度は神経上膜まで完全に損傷したものである。
問題4 施術録の扱いと記載で正しいのはどれか。
- 来院日は療養費請求時にまとめて記載する。
- 保存期間は3年間である。
- 治療計画は記載事項である。
- 家族への説明内容は記載しない。
問題4 【解答】 3 【柔理5】p.89
施術録は一般的にはカルテと呼ばれ、以下の項目に留意しなければならない。
- 来院した日は,その都度記載する。
- 保存期間は施術完結の日から5年間である。
- 主訴や他覚所見、判断や施術内容、治療計画や経過等を簡潔に要領よく記載する。
- 患者や家族、同伴者への説明内容のほか、説明した相手や同伴者の氏名も記載する。
問題5 骨折整復の原則で正しいのはどれか。
- 遠位骨片の長軸方向に牽引を加える。
- 骨折を発生させた外力と同じ方向に力を加える。
- 遠位骨片に近位骨片を合わせる。
- 損傷していない骨膜は整復において有利に働く。
問題5 【解答】 4 【柔理6】p.94
骨折の整復は非観血的整復と観血的整復に大別でき、非観血的整復は徒手整復法と牽引整復法に分類される。骨折の整復における原則は以下の通りである。
- 長管骨の骨折においては近位骨片の長軸方向に十分な牽引を加える。
- 骨片転位を生理的状態に復する方向に力を加える。一般的には骨折を発生させた外力とは反対の方向に力を加え整復する。
- 近位骨片に遠位骨片を合わせることが原則である。ただし肘頭骨折や膝蓋骨骨折などは例外である。
- 損傷していない骨膜や軟部組織は蝶番の役割を持ち、整復操作において有利に働く。
いかがでしたか。
間違っていた部分は教科書で確認してくださいね。