ジャパン国試合格

第28回柔道整復師国家試験 【午後】問題63

問題63 肩腱板断裂の慢性期所見で正しいのはどれか。

  1. 上肢の挙上が不可能である。
  2. 肩関節の回旋拘縮がある。
  3. 肩峰骨頭間距離が広がる。
  4. 夜間痛がある。

 

解答:2or4 (不適切問題となる可能性あり

ジャパン国試合格の見解   解答4

これは、悩ましい問題です。選択肢24どちらも正解の可能性があります。

整形外科第4p178によりますと「疼痛:運動痛と夜間痛が多い。」とだけ記載あり、肩腱板断裂慢性期に特化した夜間痛の有無の記載はありません。

そしてp180によりますと拘縮をきたした症例に対して、「関節可動域の獲得が重要である。」といった記載であったり、観血的療法の目的の中に「拘縮の除去」という記載があります。

ですので回旋拘縮があるという根拠にもなり得ます。つまり教科書の中だけでは解答が2なのか4なのかを判断するのは困難であると思われます。

また臨床的に考えると、選択肢2については腱板断裂により炎症が起こった事や、その後、動かすことができなくなった事によって結果的に拘縮も起こります。その場合、手術によって癒着した組織を剥離する必要が出てきます。ただ、拘縮する動作は回旋だけとは限らず、他の動作にも可動域制限が出てきます。しかし上述の通り、回旋拘縮がまったく起こらないか?と問われれば、「起こらないことはない」という事にもなります。

続いて、選択肢4についてですが、腱板断裂後数ヶ月から1年以上経っても治らない夜間痛を理由に観血的療法を選択される患者様もおられます。慢性期であっても慢性炎症が続く場合があることや、断裂に続発する拘縮によって五十肩の時のような夜間痛が発生することになります。

つまり、24も一問一答で○か?×か?と問われれば、どちらも×には出来ないと考えられます。そこが速報の解答が各校で割れる理由です。

ジャパン国試合格としては、このうちどちらかを選ぶとすれば、悩んだ末に4を選ぶ事としました。

理由は腱板断裂後、拘縮が起こるか?起こらないか?は患者様の生活動作や環境によって左右される事です。例えば断裂後も亜急性期の段階からの適切な保存療法を受けている患者様には慢性期の拘縮は少ないと言えます。日頃から動かしていれば、断裂したからといって五十肩のように必ず拘縮するとは言えません。そして拘縮する動作を回旋だけと限定している点にも意図があるのかもしれません。

反面、夜間痛についてはどうしても慢性期にも残ってしまう場合があります。他動的可動域を完全に取り戻したとしても夜間痛が残る患者様もおられます。

以上となりますが、これはあくまでも独自の見解であり、教科書に記載が無い以上、解答については問題の作成者がどのような意図でこの問題を作成したのか?に左右されます。

 「不適切問題」として扱われる可能性も想定されますので、念のため採点の際には加点の対象にしない方が適切であると思われます。